本日は手組ホイールのご注文を頂きましたのでご紹介です。
まずは珍しい木製リムとカンパニョーロラージフランジのボスハブにて組立て。
価格が高くなかなか入手が難しい「木リム」。現在でもごく僅かに製造されていますが木製リムとは造船技術などから派生した合板構造で、古くは馬車の車輪などにも使われていたようなものですので車輪界の大先輩でにあたる素材です。
組んでいても危うさはあまり感じず、素直に組んでいけたので安心感があり軽量アルミリムの方がよっぽど弱そう。
カーボンやアルミに比べ振動吸収に優れ、チューブラーの乗り味を増幅させるような快適性を発揮する「柔」なリムを36Hで組み上げ、ブルベやツーリングのお供にぴったりのホイールに仕上げました。
スポークは星の段付き。ニップルは木リムの特性上、首の長いロングニップルにて。
フリーは登場頻度が高いホワイトインダストリーの17Tにて、軽快なフリーサウンドが気持ち良く響きます。
続いてはこちらも入手が難しくなった650cのクリンチャーホイールを完成車に合わせて組み立て。ほんとにぱったり見なくなりましたね、650cロード。10年前はキャノンデールとかも出してたのが嘘のよう。
シルバーで統一されたコンポに合わせるためにリムもシルバーのアレックスR450にDTのチャンピオンシルバー、シマノ105ハブにて。リムの価格に関わらず製造上の都合で内部にバリが残る事が多いのでキッチリ取り出します。そのあとリムの内径を測ってエクセルでぽちぽちと組み方による補正をしてスポーク長を算出します。多少手間でも実測しないと失敗しますのでカタログ値はあてにしてはいけません。
タイヤはクラシックな見た目を意識してパナレーサーのパセラにて。
このホイールは完成車のオーダーに合わせての組み合わせなのでバイクのご紹介をまた次回に!
CYKICKSではホイールの整備、メンテナンスの他に手組でのホイールも組み立て対応可能です。
市販の完組ホイールでは多くのライダーに焦点を合わせなければならない都合上、どのホイールを選んでも使用用途に合わない、予算が厳しい、リムサイズや寸法、材質などが不適切という問題が起こりえます。「誰が」「どういった」使い方をするかを決めてから組み立てる事が可能な手組ホイールが有効な場合もあります。ご興味ある方はご相談くださいませ。
本日はここまで、ありがとうございました。
スポーツバイクメカニック 横山ヨーイチ