SOMA FABRICATION Wolverine v4.1のご注文をいただきました。

本日はモンスタークロス用フレームとして生まれたSOMAのWolverineV4.1のご依頼を頂きましたのでそのご紹介です。

ver4.1となる息の長いこのフレームは太いタイヤとドロップハンドルを備えるモンスタークロス、シクロクロス用とされていますが、そのフレキシブルさから時代時代のリクエストに応じて数々のマイナーチェンジをしながらSOMAの顔としてラインナップされているいわゆる看板商品。デビューは2012年ごろだったでしょうか?

そもそもSOMAファブリケーション社は拠点であるアメリカのサンフランシスコにおける「実用」「日常」の自転車活用を支えるための製品開発を続ける業界的には稀有な会社です。

多くのブランドやメーカーがレースバイクを頂点として、それを模した高品質なスポーツバイクや製品をリリースするのに対しSOMAは日常や実用といったカテゴリーにおいても質の高いバイクが本当は必要なのではないか?という考えのもと過剰過ぎずチープでない、つまり頑丈で永く愛せる自転車を求める人達に向けた製品づくりをつづけています。

今回のご依頼も「早い!軽い!」でなくメンテナンスの手間を極限まで減らせるベルトドライブを採用しつつスポーツ車のジオメトリーで太いタイヤ、ディスクブレーキを備えた最高の街乗り車を!という構想をご相談いただきましたので、SOMAのこのフレームをご提案させていただきました。

今回のWolverine v4.1はtypeBと呼ばれる仕様で前後QR仕様、フラットマウントブレーキ台座とスライダーエンドを備えベルトドライブに対応したフレーム分割が可能な玄人好みの渋いフレーム。

分割!使わなかったとしても浪漫ですね!

街乗りという事で足を止めたままで変速できるアルフィーネ内装11段ハブを使いシングルスピードのバイクのような見た目のシンプルさとワイドギアレシオをもつ使いやすさの両立をさせました。

フロントハブはQR仕様の残るHB-M8000にて

そしてこのバイクの目玉であるベルトドライブは現状世界で唯一といっていいアフターマーケット用の自転車ベルトドライブキットを製造販売しているドイツのGATES社製CDXカーボンベルトをご用意させていただきました。

マニュアルを読んで組み立てるまで気づきませんでしたがGATESのベルトドライブはベルト張力を専用のAPPを用い周波数で管理する方式!

調整用の専用工具がいらないのでなんと手軽になった事か!ベルトをはじくのにコツがいりますね…

また、機械式チェーンと違いベルトの中央にも溝があるため(上から見て+の形にチェンリングと接触する)チェーンラインの精密さが求められます。

スプロケットのオフセット、チェーンリングのスペーサーを調整しピッタリ出す必要があるのもベルト組の注意点ですね。

リムはワイドリムかつチューブレスで軽快感を最優先に、街乗りでありながらFORMOSAのXC用カーボンリムを奢り、最新のグラベルキングSSの40cとあわせてチューブレス化。まるで宙に浮いたかのような極上の乗り心地を発揮します。

体に触れるサドルとハンドルはBROOKSのカンビウムシリーズでクラシックなコットン仕上げのホワイトが上品です。これはお客様のセンスが光りますね~

ブレーキはバイクの計画中に丁度発表されたリミテッドカラーのEQUALディスクブレーキのグリーンカラーに。フレームカラーが完全なグレーでなく、わずかに緑かかった色だったので同系色で彩度が全く違うパキッとした見た目になり崩しすぎないアクセントになりました。

ブレーキローターは最近元気な台湾の新興ブランドVELOCIの新作ROLLCii CENTER LOCK ROTORにて。

写真では伝わりにくいですがカンパニョーロのディスクローターレベルの綺麗な面取りが施してあり、同価格帯のローターのなかでも抜群の品質のように思います。

ヘッドパーツはフレームカラーに合わせ同じくVELOCIのROLLCii EC34シリーズ。

クリスキングまでの高性能はいらないけど見た目の華やかさは欲しい!という要望にドンピシャではまるこのシリーズは見逃せませんね!11色展開、8,800円なのも今のご時世嬉しい価格です。

VELOCICYCLE

ちなみにSOMAは昔ながらのクロモリフレームなのでBBやヘッドの下地処理が必須です。

その辺はお店としてはやりがいがあるというか、面が出ているフレームにヘッドパーツやBBを組んだ時のぴったり感はたまらなく気持ちいものです。

ということでもちろん下処理をしっかりと行っています。

フレーム内部は錆止めしてありますが追加処理も

全ての部品を選ぶのに理由と想いを込めて妥協なく組み立てるフルオーダーのカスタムバイクの完成には想像以上に多くの打ち合わせやコミュニケーションが必要で時間もお金もかかります。しかしその甲斐もあり今回はご希望に沿った最高の街乗りバイクを完成させることができたと思います。

思いのままに都市のクルージングを楽しんでくださいませ。

ベルトドライブカスタムが可能なフレームはWolverine v4.1の他にチネリのTUTTOなど選択肢に限りがありますが、ご興味ありましたら是非お問合せくださいませ。構成のご相談や手配など承ります。

本日はここまで、ありがとうございました。

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