本日は前回に引き続きMERIDAの2024年モデル発表会レポートをお届けいたします。
後編はメリダの得意とする土の香り漂うオフロード系バイクの紹介とインプレッションです。オフロード車の試乗会場はメリダXBASEに隣接する常設のオフロードコースとその周辺にある狩野川河川敷。


綺麗な舗装路から砂利道までを含むコースでグラベルバイクをテストするにはぴったりの環境。ついつい1時間以上遊んでしまいました。
目次
注目は言わずもがな新型SILEX。

2018年のデビュー以来その個性的な出自から独自路線のグラベルバイクとして幅広い支持がありましたが、今季のフルモデルチェンジで見た目もその目的もトレンドや市場の要望に合わせた更新がなされました。

昨今のグラベルバイクの使われ方に合わせるためよりハードなオフロードにも安心して突っ込んで行けるような変更で、具体的にはヘッドアングルを寝かせてフォーク長とトップチューブを長く、ヘッドチューブを短く、標準のタイヤサイズが45Cになりました。

そして「今までのSILEXよりもカッコよくしてくれ!」というわかりやすい要望もヨーロッパの方であったらしく、誰が見てもシャープでかっこいいシルエットへ生まれ変わっています。



前三角が小さくなったのでフレームバッグが付けづらくなりましたがストレージマウントは沢山用意されているのでほとんどの方には影響がないでしょう。
ただし大きなバッグが必要なキャンピングなど旅行用途がメインの使い道なのであればあえて旧型のSILEXを選ぶのもあり得るのかなとも思います。
2度とあんなグラベルバイクは出てきそうにないですからね。
ということでまずはアルミフレームのSILEX400から試乗しました。

SILEX400のコンポーネントはGRX400の10s、フレームはSILEX LITE と呼ばれる新型フレーム(重量は1900g)でフォークは上位モデルのカーボンフォークと同じCF2カーボン製。


旧モデルとなる400や100から比べるとハンドル位置が低く、遠くなっているので乗車姿勢自体はより上半身を使わせられる位置になっていますが恐怖感は全然ない。
その理由はヘッドアングルが寝て肩下が伸びたことで従来モデルに比べ前輪位置が若干遠いからかタイヤが太いことでトレールが稼がれているからか、安定感という意味では旧モデル以上に「頼りになる感」が増しています。
バイクを進めてゆくとアルミフレームの芯がある感じと相まってかなりシャープな印象。

今までのSILEXがおとなしい草食動物的な緩さとしたら新型はゴリラのようなパワー系なイメージでしょうか。
また、サイズ感はヘッドチューブが短くなったとはいえトップチューブは普通のロードに比べても長めなのでサイジングは気をつけたいですね。

続いてグラベル世界選手権を制した上位モデルとなるCF2カーボン製のSILEX4000。

国内展開のCF2フレーム採用車種は2種類で4000グレードの他に新型の12sGRXとイーストンのカーボンホイール、カーボンハンドルが装備されたSILEX8000も。
4000は400と同じくGRXの10s、足回りも同じなので純粋な比較がしやすくよかったです。
こちらはとにかく快適性が高い、それに加えて400にあった芯みたいな硬さはなくなりフレームの後ろ半分の粘りけが地面を捉えてくれている感覚。
このおかげでバイクのコントロールがしやすくなり、結果的に余裕が生まれてくれるので適当に乗っても怖くなく、「グラベル楽しい〜!」「自分ってオフロードの才能あるんじゃない?」って勘違いしそうなくらい「楽」に乗れてしまいました。
これをつまらないと表現するかどうかは人それぞれですが、少なくともスポーツバイクに慣れていない最初の1台として手に入れるには最良の選択になりそうです。
最後に、SILEXに共通して素晴らしいのがマキシスのランブラーが標準装備であること。国内正規価格で1本8250円のチューブレスレディタイヤを10万円台のアルミバイクからアッセンブルしてるのは本当に素晴らしい👍走りの「実」にこだわるメリダ らしい配慮です。

トレイルバイク入門のベストバイBIG.TRAIL400
続いては2021年から本格MTBの入門ハードテールモデルとしてデビューしたBIG.TRAIL400の紹介です。

BIG.TRAIL400は今や定番となったスラックジオメトリー、ドロッパーポスト、ブーストハブに29×2.4インチのワイドタイヤ、34φの140ミリストロークのフォークが装備されたトレイル遊びに適した完璧なパッケージ。
日本国内の展開はこのワンモデルだけなので色だけ選べばOKで、あとはヘルメットとグローブを用意すれば楽しいマウンテンバイクライドの世界を覗くことができます。
今回なぜこれをピックアップしたかというと2024モデルの大きな変更点でコンポーネントがシマノのCUESにチェンジしているから。

BIG.TRAIL400は新しいリンクグライド規格となったU6000シリーズで組まれているのですが、このシマノの新しいコンポーネントシリーズである「CUES」の特徴は互換性の拡張と耐久性のUPという今までのシマノからすると珍しい方針のコンポーネント。

例えばクランク、チェーン、リアメカを変えずに9、10、11sそれぞれ希望グレードのシフター、スプロケットを変更するだけで段数を変更できるといったような互換性の高さを実現しています。
さらにこのリンクグライド規格はE-bikeのアシストパワーに適応した高耐久チェーン(普通のHGチェンに比べ3倍⁉︎)であり、新しい歯先形状によるシフトショックの大幅軽減もポイント。
このBIG.TRAIL400は表面上は2023から引き続きフルシマノの10sの仕様なのですがHG→LGとなったことで10sを極めた、といったところでしょうか。
軽さはDEOREに軍配が上がりそうですが、それよりも耐久性がUPしている方がありがたい価格帯のはずなので適切なアップデートとなっています。
タイヤやフォーク、ホイールなどその他の部品は変更がないので試乗しても違いはほぼ出ないだろうな〜と思って乗ってみるとその扱いやすさのバランスに改めて感動してしまいました。

全くの平らなゆるダートでの試乗でしたのでSILEXで走った時よりコースが簡単で眠くなるような感じ。せっかくなのでわざとアグレッシブな動きをしても全く動じず、頼もしい挙動です。
反面アスファルトでの移動はバイクの重量以上に重く感じます。マウンテンバイクといえば激しい下を攻略するのが本分、オンロードの利用はほぼ無いという条件であればこのBIG.TRAILで決まりでしょう。
BIG.TRAIL400は2色展開で価格は192,500円(税込)です。
フルモデルチェンジしたBIG.NINE

29インチのXCバイクの代名詞でもあるBIG.NINEは2代目が2017年に発売開始してから6年。規格の移り変わりが早いMTB界で6年は数世代にも渡る膨大な期間です。

当時アップデートされた内容はフロントシングル化、boost化、EPSコア採用によるカーボンフレーム、Di2レディなどなど、現代の標準となる規格が詰め込まれていました。
満を持して登場した今年の新型BIG.NINEで採用された内容はロングトップチューブ、2.4インチの標準タイヤサイズ、SRAMユニバーサルハンガー採用、BSA規格のBBへ回帰とフラットマウント化、です。
さらにシートチューブが短くなることでフレームサイズの選択の仕方がライディングスタイルを基準にしたアジロメーターサイジングという概念も導入されました。

第3世代となったこの2024モデルのBIG.NINEが何年続くかわかりませんが、これらが次世代クロスカントリーバイクの標準となるでしょう。
今回注目したのは新たに派生モデルとして登場したBIG.NINE TR。CF3カーボンのBIG.NINE TR8000に試乗してみました。

今まで代々100ミリストロークを基準としていたBIG.NINEですが、流行りのダウンカントリーバイクとしての用途に振った「TR」バージョンでは120ミリストロークフォークを標準装備。これに合わせドロッパーシートポストも装備され、わずかに下りにも備えたバイクとなりました。
メリダの考えるモデル別の登り下り比率はこんな感じ。

試乗してみるとやはりこれはレースバイクである事を意識させるかかりの良さとシャープなハンドリング。CF3カーボンでこれなのでCF5はどれだけ軽いんだと…


このTRは120ミリストロークのフォークを採用することでわずかに余裕をもたせつつ、先に紹介したBIG.TRAILほどの重さを持たないので「軽快に上れた方が嬉しい」という要望に合わせた絶妙なバランス。
ただ、あくまでクロスカントリーレースバイクであるBIG.NINEの派生なのでトレイルバイクと思って突っ込むと怖い場面もありそうで、ライダーの技量が試されるモデルな気がします。
日頃乗っているロッキーマウンテンのグロウラーと比較すると同じハードテールMTBとは思えないくらい全く別の乗り物ですね。
BIG.NINEはメリダのMTBの中でも屈指のバリエーションの豊富さを誇り、TRバージョンと合わせて合計9モデル展開。2種類のカーボンフレーム、3種類のアルミフレームがあり価格は92,400円から1,595,000円と予算に応じて細かく選べる点も魅力のひとつ。
クロスバイクだとちょっと華奢すぎて不安だし、そこまで速度は求めないような実用街乗り需要から河川敷のグラベルサイクリング、上りの多い本格オフロード需要までカバーできる弱点の少ないBIG.NINEは1台でいろいろしたい欲張りな貴方のベストチョイスです。
2024モデルのファーストオーダーについて
メリダ2024モデルは12月末日までの間、特典付きでご注文いただけますのでニューバイクをご検討中の方は是非この機会にご予約くださいませ。
本日ご紹介しなかったものも含めた全ラインナップは公式ホームページにてご確認可能です💁https://www.merida.jp/
また、来季カタログ落ちする2022、23バイクに関しては在庫限りで大変お買い得なプライスにてご案内可能です。
これから新しくスポーツバイクを始めたい!最新モデルにこだわりは無いという方には見逃せないタイミングとなりますのでこちらも合わせてお見逃しなく。
旧モデルの確認はこちら💁メリダアーカイブ2022〜23 https://www.merida.jp/archive/lineup_archive.html
年末年始の営業時間について
年内最終営業日は29日(金)の18:00まで、年始は1月5日(金)より営業開始となります。
今年も1年大変お世話になりました。来年もどうぞよろしくお願いいたします!
名古屋市東区 スポーツバイク販売、修理専門店 CYKICKS 定休日:水曜、木曜 Tel:052-325-8295 yokoyama@cykicks.jp STRAVA club : https://www.strava.com/clubs/CYKICKS Facebook: https://m.facebook.com/CYKICKS X: https://twitter.com/cykicksbicycle YOUTUBE: https://www.youtube.com/channel/UCBFOVhCRCAlUULnOkaGWIGQ お問い合わせやご相談はコチラからどうぞ! Contact&Calendar | CYKICKS|名古屋の自転車屋サイキックス
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