今回もいくつか整備をさせていただいたのでご紹介いたします。
まずは長期間未整備で、踏み込むと音が鳴るという割とよくある症状でお持ちいただいたピナレロクアトロの2012年モデル。組まれているのはアテナのパワートルク規格のクランクだったので一般的にご自身で整備は難しく、ついついほったらかしになりがちですので手遅れになる前に音などの初期症状が出ていれば早めにお持ちいただくのがよいかと思います。
まずは固定ボルトとワッシャーを外します。
養生して専用プーラーをセット。左クランクを引き抜きます。
予想通りグリス汚れの詰まったBB部。
クランクシャフトと小物を清掃して。
組付けて完了です。
今回は同時にヘッドの分解清掃も行っております。DropIN規格になる前のピナレロヘッドもセルフ整備は難易度高い個体がありますので分解前に要確認。
音鳴りは特にBB、ヘッドの複合でなっている場合がありますので長期間の未整備バイクの場合は両方触ることが多いです。
続いてヘビーに通勤利用しているフルクラム「レーシングクアトロ」の清掃でお預かり。今気づきましたがこちらもクアトロですね。上で紹介したクアトロと同じく長期間未整備だったようでフリー音がなかなか大きくなっており回転も濁りがちという症状でした。
シールドベアリングタイプなのでフロントの左右ロックナットが固着している場合もありますので分解には諸々手順が必要。今回も無傷で開けるのに半日かけています。
リアはカップアンドコーンタイプと基本構造は一緒。清掃しましたがフリー部も含め錆などは出ていませんでした。
最後はカンパニョーロ「BORA ONE」のフリー交換とタイヤ貼りのご依頼。
旧シマノボディからカンパ用へ変更、スチールからチタン製になるのでここだけで50g近く軽くなります。余談ですがカンパニョーロホイールのカタログ重量はカンパボディでの重量表記(自社規格なので当然ですが)なのでシマノボディを買うとカタログ値より重くなります。
今回貼るのはシームレスチューブラーのTUFO JETPRO。
残っている糊を綺麗にして貼り付け。TUFOはエントリーモデルでも縫い目がないのでマウントしやすくセンター出しもイージーなのでスペアに選ばれる方が多い印象です。
完成!
本日はここまで、ありがとうございました。
スポーツバイクメカニック 横山ヨーイチ