12月に入って寒くなってきましたね、今年は年内に積雪もあり去年よりグッと寒くなりそうな予感です。
さて、今回はCYKICKSで行なっているハブオーバーホールサービスのご依頼をご紹介いたします。
ハブオーバーホールはハブの分解清掃とグリスアップを行うメンテナンスですが、カンパニョーロやシマノなどカップアンドコーンタイプのハブは分かりやすいガタが出たりメンテナンス情報も多いので特に気にされる方が多く、比較的頻繁にメンテナンスを行なって頂いている印象がありますが…
それ以外のシールドベアリングを採用しているメーカー(むしろ使っているユーザー数はこっちの方が多そう)のホイールは構造上大きなガタがでにくく、メンテナンスサイクルが長くなりがちです。
特に軸受部分のベアリングは問題が無くてもフリーボディのクラッチ機構のグリスやオイルが切れっぱなしで乗り続けられているケースが多く、カカリ不良やフリー動作不良が起きたタイミングでメンテナンスをしようとしても、すでに偏磨耗が進行しすぎていたりフリーボディのベアリングがサビていたりとパーツ交換が必要になり修理コストが大幅に増えてしまいます。
ということでまずはMAVICのエントリーグレードの代名詞アクシウムのメンテナンスからご紹介。
アクシウムは強靭な耐久性でヘタれ知らずの優等生、ひと昔前は完成車にこれが採用されていたりしましたね。しかしその丈夫さからついつい通勤通学で使いっぱなしになりがち。このホイールは前後ハブとも分解と清掃組み直しを行いました。
フリーボディ内はノーオイルのスカスカ状態。
フロントハブはエクスパンシブルベアリングサポートというちょっと変わった機構。
ガタが出始めていたので正しい手順とトルクで組んでリフレッシュ!
※1度分解するとベアリングサポートは新しいものに交換する必要がありますのでご注意を!
続いてはDT SwissのRR21Dicut。
240ベースのストレートプルハブをつかってDTのエアロライトスポークで組まれたDT Swiss味山盛りの軽量アルミホイール。隠れた名ホイールでしたね〜
こちらも旅のお供で乗りっぱなしのノーメンテ状態。分解してみるとグリスが真っ黒のスカスカ。
このまま使い続けるとラチェットリングの摩耗で交換(1ペア1万円!)という出費になるところでした…
洗浄後にスターラチェット専用グリスで組み立て直し。
スプロケットもついでに洗って完成!ほぼ無音の新品時同様な滑らかさを取り戻しました。
という事でシールドベアリング採用のホイールをお使いで何年もメンテナンスをした記憶がないという皆様、不具合が出る前に改めてコンディション確認していただけたらと思います。
本日はここまで、ありがとうございました。
スポーツバイクメカニック 横山ヨーイチ