MERIDA 2021 ディーラーキャンプに参加して来ました。 最終回

ゆっくりとなりましたが最終回は継続となるロード、MTB、クロスバイクの見どころをご紹介させて頂きます。少しボリュームがありますので気になるところをお読み頂ければと思います。

ロードバイク

新型リアクトとスクルトゥーラ  エンデュランスは前回まででしっかりと話をしましたので今回はメリダの看板モデルスクルトゥーラ からスタート!

SCULTURA 6000 ¥359,000

イタリア語で「彫刻」の名をもつスクルトゥーラシリーズはラインナップ比率をDISCブレーキに大きくシフトして継続。

全12車種中8車種がDISCブレーキ仕様となります。

ついにDISC化がここまで来たかといういう印象の反面、まだリムブレーキの車種が4グレードも残っているのは規模の大きいメーカーならではですね。

細かなマイナーチェンジとして、DISC仕様のCF4グレードのフレームはリアディレイラーハンガーがダイレクトマウントになり、Di2専用フレームになったためダウンチューブの開口部が無くなりました。

時期デュラエースの仕様に合わせてという噂も…?

TEAM-Eと4000グレードにはバーレーンマクラーレンカラーが用意されます。

リアクトと同じくTEAM-E完成車にはデュラエースのパワーメーターが付属します。 ¥1,200,000
SCULTURA RIM 4000 にもチームカラーがあります。 ¥199,000

昨年までラインナップになかった7000EはCF2グレードのアルテグラDi2完成車で¥500,000。この価格は直球ど真ん中で、現在リムブレーキの105やアルテグラのバイクに乗っていてDISCロードの買い増しとアップグレードを同時に検討されているような方にはベストチョイスとなるのではないでしょうか?

SCULTURA 7000-E   ¥500,000

もちろん今回のディーラーキャンプでも改めて試乗してきましたが、やはりスクルトゥーラ の軽快さ、俊敏さはリアクト以上でリムブレーキから移行した時の違和感も限りなく少ない「軽量ロードレーサー」らしい味付け。

サイクリングやロングライドはスクルトゥーラ エンデュランスに譲った形になりますが、スクルトゥーラのピュアロードとしての完成度を改めて確認できました。なによりロードバイクらしい振る舞いが楽しいバイクです。

エントリー~ミドルグレードSCULTURA 700モデルとして位置付けられるアルミフレームの3桁グレードはフル105とフルクラムレーシング600がアッセンブルされた700グレードが追加。

SCULTURA 700 ¥239,000
SCULTURA 700 ¥239,000

メタリックブルーとブロンズの特別色は高級感があり、今期のベストカラーでは!?

ちなみに50サイズ以下は105のレバーがショートバージョンになっているのも細かな配慮が効いていて好感が持てます。フォークは上位と同じフルカーボンのCF2グレード共通という事で走行性能はお墨付き。

スクルトゥーラのアルミモデルははじめてのロードバイクにぴったりな幅広いラインナップです。

意外だったのはエンデュランスモデルのRIDE80もリムブレーキのままカラーチェンジして継続なところ。

RIDE 80 カラーはFレッド、ライトブルー、マットブラックの3色  ¥89,900

安心のメリダアルミフレーム、フルカーボンフォークを備えて89,900円!ブレーキまでクラリスで揃えて、ホイールは前後28Hのクロス組。軽さよりも耐久性をとっているところがメリダらしいです。

グラベルシリーズのサイレックスは大きなモデルチェンジは無し、カラーチェンジのみ。

サイレックスは他社のグラベルバイクよりもツーリングに重きを置いているのでスタックはMTB並みに高く、イメージ的にはドロップハンドル版のトレイルバイク。

逆にショートステム前提なのでリーチは長く、前三角が大きいのでフレームバッグの取り付けが容易です。

フル装備だとこんな感じ。純正バッグも別売りオプションでご用意できます。

特殊なフレーム形状なため、スタンドオーバーハイトが高く正しいサイズを決めるのが難しいですので、ご検討の際は店頭で実車を跨っていただくのがよいかと思います。

サイレックスは競争から一歩距離を置いた「ラクで楽しい」まったりとしたサイクリングにちょうど良いシリーズです。

今年のイチオシは7000のマットブロンズ!

シクロクロスのミッションCXシリーズはアルミ1車種カーボン2車種の3モデル。アルミの400グレードが105油圧に変更。

価格もスクルトゥーラ400に合わせるかたちで199,900円に。

シクロクロスを新しく始める人だけでなく、サイレックスよりもレーシーなポジションでオフロードを楽しみたい人や通勤通学で自転車を酷使するような使い方が想定されるような方にもお勧めなマルチな一台です。

デザインが大幅に変わり今年のグラフィックは個性的に!

マウンテンバイク

続いてはMTB。

事前にニューモデルとして発表された「BIG TRAIL」が注目の一台。

メリダの開発チームは各国の現地ディーラーからのヒアリングからバイクの開発スタートしていくのですが、今回のBIG TRAILはイギリスからのオファーで実現したモダンジオメトリーを採用した待望のモデル。

boost規格は当然として、ヘッドアングル65.5度、ロングリーチに50ミリステム、インターナルドロッパーポストが付いて139,900円!

ブラックとパープルの2色展開。

日本のMTBシェア的に1グレードのみの展開となりますが、山遊びのベースグレードとしては万能な一台です。

走るシーンに合わせて足回りをアップグレードしてあげることで長く付き合える1台になりそうですね!

E-BIKEは昨年登場したインチューブバッテリー方式に統一されました。

最上位グレードのeONE-SIXTY 10Kが遂に上陸!

アルミのeONE-SIXTYがフルモデルチェンジにより上位モデルと同じマレット(前後異径)仕様に!海外ではシマノSTEPSの新型EP8が搭載されているモデルもありますが国内分は全てE8080のままのようです。

eONE-SIXTY500 ¥499,000

コンポはワングレード落ちましたがパワーユニットそのままで8万円のプライスダウンにより¥499,000となりフルサスのE-BIKEがついに¥500,000を切りました。

サンプルが間に合っていませんでしたが昨年デビューのeBIG.NINEは価格そのままでイメージが一変するスカイブルーが追加されています。

eBIG.NINE 400  シルクブルー ¥399,000

クロスバイク

最後はクロスバイクについて。

クロスバイクは近年のスポーツバイク需要の高まりもあってかベーシックグレードのクロスウェイをマイナーチェンジしています。

スチールフォークがスマートになり油圧ディスクブレーキが採用された300-Dが注目です。この価格帯で今年はクランク、ブレーキなどキーとなるコンポもシマノでまとめた真面目スペック!

cross way 200 MD ¥58,900 メカディスク仕様
CROSSWAY 300-D ¥62,000 油圧ディスク仕様

カラーは落ち着いたサンドマットとブラックの2色で街中に溶け込むデザインが新鮮な印象です。こちらの納期は2月ごろ。

昨年フルモデルチェンジしたカーボンフォークのグランスピードはカラーチェンジのみ。

落ち着いたカラーの多かった20年モデルと反転、原色ベースのいかにもスポーツ車といったデザインに戻っています。大体のカラーが9月下旬ごろ〜のデリバリーです。

GRAN SPEED 80-MD ¥79,900
GRAN SPEED 100-D ¥85,900

サンプルが間に合っていませんでしたがE-BIKEカテゴリーはePASSPORT TK600がePASSPORT CC400に差し代わり、インチューブ式バッテリーに統一されました。

ePASSPORT CC 400 EQ ¥349,000

ただバッテリーのマウント方式が変わっただけでなく、フレームは完全新規でサイズ感が調整し直されています。リーチ&スタックで見ると昨年までの43が今年の38、48が今年の43となっているので注意しましょう。

走行感に関わるリアセンターが25ミリ伸び、BBハイトが15ミリ以上下がっていたりと大きな調整が入りましたがどちらも安定感を高める調整ですので、シティユースとしてさらに乗りやすくなっているのでは。

デリバリーは12月下旬ごろです。

まとめ

ということでメリダの2021年モデルの見どころをまとめてみましたが、今年もロードバイクを中心にボリュームアップしつつもスポーツバイクの全方位にアンテナを伸ばした幅広いラインナップとなっています。

これでもかなり大雑把に紹介したのですがどれも手ぬかりなく、しっかり練られているので改めて全ラインナップを見直すのに時間のかかることかかること…

この規模の全てのプロダクトがそれぞれしっかりと成立しているのはドイツにあるR&D (研究開発)センターが独立して開発を担当しており、ヨーロッパの自転車文化を取り込めているからこそ為せる技。

R&Dセンターの様子

それっぽい名前を付けてドイツブランドと言って売ってしまってもいいのではないかというレベルの分業が行われています。

なぜこのような特殊な体制になっているのかというと、90年台の終わり頃OEM生産が中心だったメリダは主な顧客だった大手ブランドの経営難により、支払いの不安が発生した事に起因します。

他社の経営状態に引っ張られ過ぎないよう、自社ブランド強化の必要性を感じて発足したこの体制も今年で20年目。

メリダがただの下請け台湾メーカーに収まらず独自の成長をみせているのは開発は開発、製造は製造にそれぞれ集中できる、ドイツと台湾というお互いの立地を活かし得意分野を担当するという仕組みがあるからなのです。

改めて、メリダバイクの価値は「リーズナブルな価格」だけではなく、「性能」「デザイン」といった本質的なポイントに変わってきているな、と感じる2021 年モデルとなりました。

個別具体的なご相談は店頭にてご質問など頂ければ他社比較などのお手伝いもさせていただきます。

ご来店のご予約など、お問い合わせはこちらからどうぞ!

本日はここまで、ありがとうございました。

スポーツバイクメカニック 横山ヨーイチ